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知っトク!?健康スキル

病気予防の新習慣これからは食事・運動、そして笑い。(1/3)

掲載号 vol.31

病気予防の新習慣これからは食事・運動、そして笑い。病気予防の新習慣これからは食事・運動、そして笑い。

「笑う門には福来たる」。昔からあるこのことわざは、どうやら、本当のことのようです。笑いには、健康につながる力があることがわかってきたのです。健やかなココロと身体のためにとり入れている、よい食事と運動。それと同じように、これからは笑いも大切だと言えます。

記事内容

読了時間:9分

この先生に聞きました!

大平 哲也 先生

大平 哲也 先生

おおひら てつや

福島県立医科大学
医学部疫学講座 教授

医学博士。福島県立医科大学医学部医学科卒業。大阪大学大学院医学系研究科公衆衛生学 准教授などを経て2013年より現職。専門は公衆衛生学、疫学、予防医学、内科学、心身医学。運動、音楽、笑い等をはじめとする効果的なストレス解消法についての実践的研究を行っている

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リウマチや、がんそして糖尿病にも。

笑うとスッキリした、という経験はきっと誰にでもあるでしょう。そのとき、笑いにはココロの中のモヤモヤを晴らす力がある、とも感じたのではないでしょうか。多くの人が“いいもの”だと感じている笑い。なんとなく、経験上でしか説明できなかったことが、最近医学の世界で、きちんと根拠をもって“いいもの”であるとわかってきました。長年笑いの研究を続ける、福島県立医科大学の大平哲也先生にうかがいました。

「最初に笑いと健康の関係が注目されたのは、アメリカのジャーナリスト、ノーマン・カズンズさんがある医学雑誌に発表した1976年の記事です。彼は49歳のとき、原因不明のリウマチ性疾患である難病・強直性脊椎炎(きょうちょくせいせきついえん)にかかり、診断後数週間で半身不随になってしまいました。元通り歩ける確率は500分の1だと言われる中、『ポジティブな感情が、身体によい影響を与えるのでは?』と考え、気持ちを明るくするために笑いを治療としてとり入れたのです。そして、バラエティ番組などを見て10分笑えば、2時間は痛みがなく眠れると気づき、その生活を続けたところ、次第に歩けるようになり、なんと職場復帰までも果たしたのです」

筑波大学の村上和雄名誉教授が行った実験。2型糖尿病患者19人を対象に、退屈な講義と大笑いできる漫才をそれぞれ40分聞いてもらい、食後2時間の血糖値を比較。漫才のほうが、食後血糖値の上昇の値が低いという結果に。

Hayashi K,et al:Diabetes Care.2003;26:1651-1652.

500分の1の奇蹟を起こしたと言える笑い。世界的に注目され、日本でも1990年代に研究が盛んに行われるようになりました。

「主に笑いと免疫の関係を研究したものです。免疫バランスのくずれによって起こるリウマチやアレルギーのある患者に、落語やコメディ映画を見せたところ、好ましい変化が見られたのです。さらには、がんにもよい作用があると考えられるようになりました。笑いは、がん細胞を撃退する免疫細胞・NK(ナチュラルキラー)細胞を活性化することが、さまざまな研究で報告されています」

2000年頃から、免疫力を高めるだけでなく、糖尿病の改善につながることもわかってきました。

「糖尿病患者に漫才を鑑賞してもらうと、血糖値に変化が見られました(上のグラフ参照)。その結果を受け、私たちは笑いと糖尿病の関係を5000人の方で検討したところ、笑っていない人ほど糖尿病が多いことがわかったのです。さらに、その5000人中の糖尿病ではない人を5年間追跡調査すると、笑わない人から糖尿病を発症することもわかりました」

「笑う門には福来たる」。よく笑う人の家には幸福がやってくるというこのことわざは、どうやら本当のようです。これからは、病気予防に笑いが欠かせないものになる、と言えそうです。

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